2015年3月8日日曜日

20141205, 1209, 0304 有楽椿と侘助と春山茶花


ウラクツバキ(有楽椿)
別名:タロウカジャ (太郎冠者)

Camellia uraku Kitam.
中国原産のピタールツバキ (Camellia pitardii var. pitardii) と ヤブツバキ (Camellia japonica) との交雑種と考えられている。
葯が退化して花粉を作らないのと子房に毛があるのは、ピタールツバキから受け継いだ形質で、それはさらにワビスケへも受け継がれている。
(2015-03-04 追記
ご近所で撮らせていただきました)



ワビスケ 'シロワビスケ' (白侘助)
Camellia wabisuke 'Shirowabisuke'
ツバキ科 Theaceae ツバキ属 Camellia

豪華な椿・山茶花が好まれ増える傾向が続いているけど、古来、茶人に愛されてきた実に清楚な椿である。「侘び」に見られる日本の心、と言いたいところだけど、中国の血を引く。
ワビスケはタロウカジャ (太郎冠者) (=ウラクツバキ(有楽椿) の実生から生じ、タロウカジャは、日本原産ヤブツバキと中国原産のツバキ属との交雑種と考えられている。

開花時期が早い。
花は極小輪〜中輪で一重・猪口咲き〜ラッパ咲き。
葯が退化し花粉を作らない。
子房に毛がある場合が多い。
葉は細めで先が長く尖り、新鞘・葉には毛は無い。
(日本原産のヤブツバキの系統には子房に毛がないので (#1)、
有毛はタロウカジャ・ワビスケの特徴であり中国原産種に由来する所以。)
なお、ワビスケには、日本原産種であるヤブツバキの突然変異に由来する群もあるそうです。

ハルサザンカ (春山茶花)
Camellia x vernalis
ツバキ科 Theaceae ツバキ属 Camellia

ツバキ (主にヤブツバキ) とサザンカ(日本原産)の自然交配種。
この木が満開になるのは3月、ハルサザンカは品種によるが開花期間が長い。
花弁がばらばらに散るもの、花冠ごと落下するものと両方ある。
子房に毛がある。
葉はツバキよりは小さい。
新鞘や新葉の主脈には毛が生えているが、のちに落下してしまうので、冬のこの時期の葉には毛がない。(サザンカはこの時期でも毛がある。)

ちなみに、ハルサザンカも (名前はツバキだが)カンツバキも、分類的にはサザンカに属す。
サザンカは、サザンカ群(原種に近い品種)、カンツバキ群(シシガシラ(獅子頭)の系
統の品種)、ハルサザンカ群(サザンカとツバキの種間交配品種)の3つに分けられ、
いずれも子房に毛があることがサザンカに分類する基準らしい。
一般的には、サザンカ→カンツバキ→ハルサザンカの順に咲き始めるが、
冬は開花時期が重なるので外見一見のみでの区別は難しい。
より正確に判断するには開花中以外にも観察する必要があるのです。

#1:
ツバキ(椿) の蕾・花
 http://fieldfesta.blogspot.jp/2015/03/20150107-0307.html

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