Camellia × hiemalis (C. japonica × C. sasanqua)
Camellia × hiemalis 'Shishigashira' / Camellia sasanqua cv. Fujikoana
Makino
ツバキ科 Theaceae ツバキ属 Camellia
カンツバキは、(ヤブ)ツバキとサザンカの交雑種と考えるのが現在の主流で、厳密には原種のシシガシラ (獅子頭, Camellia × hiemalis 'Shishigashira') のことであり(#1)、
シシガシラとサザンカの交配品種をカンツバキ群と言うが、一般には全てひっくるめて単にカンツバキと呼ばれる。
シシガシラば、木は上に伸びるより横に広がるので、這いカン(ツバキ)と呼ばれる。
剪定に強いので、数十センチに低く造り込まれることが多い。
カンジロウ (勘次郎, C. × hiemalis 'Kanjirou') などカンツバキ群は上にも伸びる立性で、立ちカン(ツバキ)と呼ばれる。立ちカンと言うと単にカンジロウをさす場合もある(#2)。立ちカンの品種はサザンカとの見分けが困難。
カンツバキ・カンツバキ群はサザンカとして分類される場合も多く、その場合の学名は Camellia sasanqua cv. ○○ になる。
園芸上の分類と学術的分類は必ずしも一致しないのが常だけど、現在のところ、(多少にかかわらず)子房に毛があることを根拠にサザンカ群・カンツバキ・カンツバキ群・ハルサザンカ群すべてサザンカに属させる(対比 子房に毛がないツバキ)。
カンツバキ・カンツバキ群(Camellia × hiemalis)の特徴
・花期が冬 (12月〜2月頃)。長い期間次々と咲く。(サザンカは咲き始めが
10月中旬ごろで一斉に咲いている感じ。)
・花は、主として紅色〜桃紅色の八重咲き (白色もある)、花弁数は10数枚以上。
(10枚未満ならサザンカ。)
・香りが無い。
・花弁と雄蕊が合着しているが(未確認)、花弁は一枚ずつ散る。
(サザンカは花弁・雄蕊が合着していない。)
・雄蕊の一部が花弁に変化しやすい。
・子房に毛が生えている。(サザンカの特徴であり、椿には毛は無い。)
・葉は、ツバキより小さく、縁の鋸歯が目立つ(気がする)。(サザンカの特徴。)
・新鞘(若い枝)や葉、葉柄には細毛が生えているが、サザンカより少ない。
成長すると落ちてしまう場合も多い。(椿には毛は無い。)
ほとんどがサザンカの形質なので、咲き始めが冬で雄蕊が弁化しやすい点
あたりで見極めるしかないかな。
シシガシラなら、低く刈り込まれ横に這っているので比較的分かり易いかも。
一説では、
#1:関東ではカンツバキ、関西ではシシガシラ、と呼ぶそうな。
#2:関東ではタチカンツバキ、関西ではカンジロウと呼ぶそうな。
呼び方違うと学名まで違って表記されてて分かり難さに拍車をかけるのである。
0 件のコメント :
コメントを投稿