2015年7月11日土曜日

20150710 虫こぶ(虫瘤、虫癭(ちゅうえい)、ゴール) とツルバラ

Rose galls on the Climbing Rose

写真1の虫こぶは紅色で葉の縁に付いている。写真2のは葉の表面で茶色く乾いているように見え、既に萎んでいるものもある。
何年か前に同じ木で見付けた時は、緑色で葉の裏側に付いていた。球形でトゲ状突起ががまばらに付いている点は同じ。

バラの葉に寄生して虫こぶを作る(#1) 昆虫は、検索しても具体的にはバラハタマバチ (Diplolepis japonica) しか出てこない。
バラハタマバチの幼虫がバラの実を模して色さえ制御し、萎んだものは成虫になって羽化した残骸かと思いきやそうではなく、犯人は必ずしもバラハタマバチとは限らないらしい。

殆どの場合、虫こぶを作る昆虫の種によって、植物の種類や作られる場所、形などが決まっているそうで、
バラハタマバチは、主にノイバラの葉裏に虫こぶ (バラハタマフシ (薔薇葉玉附子) #2) を作り、20日ほどで成熟し地面に落下、その後も中の幼虫は成長し繭を作り越冬し、翌年の春に成虫になって虫こぶから出てくるのだそう。
とすれば、葉のどこに虫こぶを作るか、とか、20日間でバラの未熟果の緑→熟した紅色→枯れた茶色と、宿主(寄主) を先取り (制御) するのかなどという問題はとりあえず置いておいても、バラハタマバチの虫こぶが萎むまで葉上に付いていることも葉上で虫こぶから出てくることも無いはず。

バラハタマバチ以外にも、バラに虫こぶを作るタマバチ (Gall Wasp) やタマバエ (Gall Fly) はいるそうで、詳細は不明だが、私が見た3種類の虫こぶは全部違う昆虫の仕業である可能性もある。
また、仮に、最初にこの虫こぶを作ったのがバラハタマバチだとして、地面に落下する前に何らかの理由で中の幼虫が死んでしまった可能性の一つとして、虫こぶを乗っ取るもの(寄居蜂)や、虫こぶ内に産卵して孵化後の幼虫が幼虫を食べる寄生蜂もいるらしい。それらが中で生きている限りは虫こぶが枯れることは無いのだろうけど、かなり生育の早いタイプなのだろうか。

小学生時代、下校途中の電車の窓から見えたキャベツ畑に侵入してモンシロチョウのアオムシを
たくさん採取してきたのに、生まれたのは別の虫だった、あれと似たような状況ね。アオムシコマユバチの場合は幼虫に卵を産み付けるのだけど。

#1:寄生した虫が植物に何らかの刺激を与え、植物組織の異常成長を促してできるもので、
  虫自身が作り出しているるわけではない。
#2:虫こぶには命名規則があるそうな。
  虫こぶが作られる植物名+作られる部位名+虫こぶの形状+フシ (コブを意味する)
  バラハタマフシ (薔薇葉玉附子(付子))

バラハタマバチ
学名:Diplolepis japonica
タマバチ科 Cynipidae
ちなみに Rose galls で検索すると、"Diplolepis polita" とか "Diplolepis bicolor" とか
海外の種が出てくる。虫こぶのトゲはかなり長く、Spiny Rose Gall と呼ばれるらしい。

ツルバラ
品種の詳細は不明
バラ科 Rosaceae バラ属 Rosa

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